ポケット詩集

 久しぶりに本棚から「ポケット詩集」を取り出しました。

 少年がジャックナイフをポケットに入れる代わりにポケット詩集をポケットに入れて気軽に読んで欲しいという意図で単行本サイズで頑丈なハードカバーになっています。編者は詩人の田中和雄です。本人が詩人を自認しているのですが「詩を描く詩人」ではなくて「詩を愉しむ詩人」という意味だそうです。ポケット詩集には、最初は宮沢賢治の「雨ニモマケズ」、最後には茨木のり子の「自分の感受性ぐらい」で終わっています。

 田中和雄は童話屋を主宰した人で、いろいろな詩人の方々の詩が、このポケット詩集に凝縮されています。最後に収録されている茨木のり子の「自分の感受性ぐらい」は、

 ぱさぱさに乾いてゆく心を
 ひとのせいにはするな
 みずから水やりを怠っておいて

・・・で始まる詩です。

 そして詩の最後は、

 ばかものよ

という言葉で終わって、この詩集はエンディングとなります。

 この詩集には、山田洋次監督の映画「学校」での国語の授業で取り上げられた濱口圀雄の「便所掃除」も収められています。また「ぞうさん」の詩人の作品「くまさん」も収められています。

 アイデンティティ・・・、久し振りにポケット詩集をパラパラめくって、そんな言葉が頭に浮かびました。

itsumi
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