公開講演会「デジタルデータの世界」

 放送大学の公開講演会を聴きに、明石のアスピア明石の会議室へ行きました。

 講演会の前に、明石の街を散策したことに関して、新しいページをつくりました。

明石散策
https://www.itsumi.net/?page_id=3734

放送大学兵庫学習センターの森下淳也先生による「デジタルデータの世界」という1時間半の講演会です。教育工学やメディア情報学がご専門のようで、神戸大学の 国際文化学部/研究科に長く所属されていた教員です。


 2進数の話と符号化、量子化の話が主で、基本的なデジタルと、DA変換が内容の講演会でした。内容自体は基礎的な内容でしたが、いくつか面白い知識を得ることが出来ました。

 一つ目はUnicodeに関してです。マイコンと言われた8bitや16bit時代は、バイナリーデータを意識していたので、ASCIIコードやシフトJISコーなどは意識して使っていましたが、MacやWindowsになって、次第にデジタルデータを意識せず、ファイルを扱うユーザになってしまっていたので、Unicodeについて、大雑把にわかったつもりでいましたが、その程度の知識しかなかったです。

 Unicodeのルーツはゼロックス社の提唱で、それにマイクロソフト、Apple、IBM、サン・マイクロシステムズ、ヒューレット・パッカード、ジャストシステムなどが参加する「ユニコードコンソーシアム」により作られたものだそうで、ISOコードの上位互換を意識しているようです。UTF-8、UTF-16、UTF-32の3種類がUnicodeでは定められているとのことで、UTF-8は1〜4符号単位(1符号単位は8bit)で表す可変幅文字符号化形式で、UTF-16は1符号化文字を1〜2符号単位(1符号単位は16bit)で表す可変幅文字符号化形式で、そしてUTF-32は1符号化文字を1符号単位(1符号単位は32ビット)で表す固定幅文字符号化形式だそうです。

 日本語の漢字は、UTF-8だと24bit、UTF-16だと16bit、そしてUTF-32だと32bitになるようで、一般には1符号単位が8bitのUTF-8が使われることが多いようです。

 2つ目は20世紀最高の物理学者と言われ、特殊相対性理論や一般相対性理論を提唱したアルベルト・アインシュタインに関して、イメージのデジタル化の説明の中で、CCDの原理の説明で、光電効果の説明をするこぼれ話として、アインシュタインのノーベル賞受賞の対象となった研究が、特殊相対性理論や一般相対性理論ではなくて、「光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明」がノーベル賞受賞の対象となって1921年にノーベル賞を受賞したそうです。

 3つ目は、人間の眼が色を認識するメカニズムで、CCDの原理は、人間の眼が、色を認識するメカニズムを、ほぼそのままシミュレートしたような技術ということを知りませんでした。集英社の学芸部の森という「社会の分断を乗り越えるために、知の共通基盤〈コモン・グラウンド〉を。」をテーマにしたWebサイト・ページを用いた説明で、わかりやすかったです。

「集英社 学芸の森」集英社シリーズ・コモン、集英社学芸部
https://gakugei.shueisha.co.jp/mori/

人間の眼の網膜には、錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞があり、桿体細胞は明暗・濃淡の知覚、そして錐体細胞は、光の量が多いときは色を知覚し、光の量が少ないと明暗・濃淡の知覚だけとなるそうです。

 そして錐体細胞には、L錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞の3種類があり、Lが長い波長の赤、Mが緑、そしてSが波長の短い青を感知するようになっているそうです。

 そして3種類のL錐体細胞、M錐体細胞、S錐体細胞は、それぞれが、光の波長(色)に応じて感度カーブを持っているので、それで人間の眼は色覚としての感覚を持つそうです。

「3色覚はどんなふうに色を構成するのか」、川端裕人、いろいろな人のいろいろな色 色覚多様性をめぐって、集英社 学芸の森
https://gakugei.shueisha.co.jp/mori/serial/iroiro/003.html

 公開講演会の後に、放送大学の入学説明会があり、残って参加したのは4名でした。説明会で質問をしたのですが、帰ろうとすると、兵庫学習センター所長の岡田修一先生に呼び止められて、質問したことの説明の補足を、立ち話でしたが、丁寧にしていただきました。身体運動科学がご専門の先生で、筑波大で学位を取得して、神戸大の発達科学部に在籍されていたようです。







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