菜の花と小娘

5月の連休最終日は朝から雨、特に連休に出掛けたわけではないですが、最終日は自宅で過ごしました。久し振りに志賀直哉全集を本棚から取り出して読みました、第一巻の冒頭は「菜の花と小娘」、学習院在学中に書いた6ページの小品です。志賀の処女作は「網走まで」と言われたり、或いは「或る朝」と言われたりしていますが、四半世紀前の岩波の全集第一の冒頭は「菜の花と小娘」、「或る朝」、「網走まで」の順で始まっています。
志賀直哉旧居として奈良にある奈良教育大の北側と、広島・尾道の尾道文学公園の上で向島を見渡す高台の2箇所は行ったことがあり、結構志賀ファンです。でも、文庫本は読むことはあっても、なんだか全集は本棚の飾りのようになって、数年以上開いたことはなかったです。「菜の花と小娘」は文庫本には収録されていないので、久し振りです。電車を降りる時に葉書の投函を頼まれるシーンが漱石の「三四郎」の冒頭と勘違いしていたのが、「菜の花と小娘」の最後にあって、腑に落ちました。
1971年に亡くなるまでの晩年は、常陸宮家の邸宅だった渋谷の常盤松御用邸近くに十数年住んでいたようで、時折渋谷の街を歩いて映画館に出入りする姿を見たという随筆のようなものを読んだことがあり、小説の神様は結構気軽に渋谷を出歩いていたようです。

メダカを飼い始めて20日ぐらいが経って、5匹のうち1匹が、どうも他の大きなメダカに追いかけられて、他の4匹とは孤立して、この1匹だけ動きも鈍く、瘦せているように思えたので、1匹だけ隔離しました。青水(グリーンウォーター)をつくろうとしてベランダに置いていた容器に1匹だけ入れました。5匹一緒だと、他の4匹と離れて、水草に隠れるようにじっとして動かなかったのが、しばらくすると、それなりに泳いでいるので一安心です。頃合いを見計らって元の水槽に戻した方が良いのか?ある程度長い期間、このまま別の方が良いのか、いろいろ調べます。
メダカも群れや社会があるようで、1匹で小さな容器を泳いでいる姿を見ながら、この小さなメダカにとってストレスを感じていたのかなあ~と思いました。