「明」歌会始

©TBS NEWS DIG Powered by JNN(TBS NEWS DIG Powered by JNN)

 昨日は令和8年の歌会始が皇居・松の間で宮中行事として行われました。入選者の歌で特に心に響いたものは、

演劇部 照明係の 娘が照らす 舞台のベンチを カメラに収む
埼玉県 穐山順子さん

明礬(みやうばん)の 再結晶の 実験は 君への恋を 形にしてる
新潟県 本間優大さん

停電の 長びく夜に 寡黙なる 父が星座に 明るきを知る
青森県 坂本美弦さん

スクリーンに 明朝体の 文字並び チョークの音の しない教室
茨城県 菅野公子さん

選者の歌として特に心に響いたものは、

また俺を 置いていくのか 明晰夢と 知りつつ言へば ふつと笑ひぬ
永田和宏さん

©FNNプライムオンライン

 皇族の歌として、今年は愛子内親王の歌が皇族代表として朗詠されました。そして皇族の歌として三笠宮家の彬子女王の歌に心惹かれるものがありました。

日本語を 学ぶラオスの 子どもらの 明るき声は 教室に満つ
愛子内親王

祖父(おほぢ)宮(みや)の 語りたまひし 異国(とつくに)の 砂の文明 間近に迫る
彬子女王、三笠宮家

 「明」という字には、明るさ、明らか、光、明暗、黎明・・・どちらかと言えばpositiveなニュアンスが纏わりつく言葉に使われていますが、選者の永田さんが詠んだ歌は、明晰な夢ゆえの虚しさや自嘲のような気持ちが織り込まれており、夢はオブラートで包んだように儚く淡く曖昧な方が良いのかなあ~と感じました。

 彬子女王の歌も、追憶と昨年9月にトルコ公式訪問でカマン・カレホユック遺跡を訪れた時に目にした砂の文明とがオーバーラップしたのかなあ~と。古代オリエント史の歴史学者だった三笠宮崇仁親王への追憶の思いを歌に込めたのかなあ~とも思いを馳せながら読み返しました。



itsumi
blog(つれづれに)