Scattered sounds

 昨年2月にジョワン主催の室内楽のコンサートで、テレマンの「食卓の音楽」第一集「ターフェルムジーク(音楽の食卓)」の「音のフルコース」と銘打ったコンサートにカトリック芦屋教会へ行ったのですが、昨秋にジョアンから、テレマンの「食卓の音楽」第二集の「音のフルコースⅡ」と銘打ったコンサートの案内が来て、チケットの予約をしていました。

 新神戸駅近くの生田川沿いの聖愛教会が会場です。

 大きな教会で、教会前からは写真に収まらないので、生田川を挟んだ迎えの公園の桜並木越しに教会の全景の写真をとりました。昨年2月のカトリック芦屋教会も、芦屋川沿いで、芦屋川を挟んで教会の写真を撮っています。

 1階が集会場で、2階に会堂があり、会堂内の2階席もあり、各種音楽会も頻繁に開かれているようです。16時半開演で16時開場で、整理券方式で早い者から1番、2番の整理券を貰って、開場時間に1番から入場する自由席なのですが、勘違いして16時30分開場だと思って30分前に行けば良いかと思っていたら、整理券は41番でした。

 でも最前列が空いていたので、繊細なチェンバロに最も近い席に座ることが出来ました。目の前の1メートルぐらいの処に演奏者の椅子と楽譜台があり、ヴァイオリンの演奏者が座ったので、目の前70~80cmのところに演奏されるヴァイオリンがあり、指遣いや弦の弾き方、楽器の木目を目の前に見ながらの演奏を聴いたという貴重な経験でした。

 最前列で、それなりの規模のオケなので指揮者が最前列の横、左3メートルほどのところで、真横から指揮ぶりを見ました。楽譜台にはiPadの12inch版が置かれていました。

 ソリストで、もっとも近い立ち位置が3mほど、遠い処の演奏者でも5m程で、ファゴットやオーボエの息遣い、喉の動きまでがしっかり見えて、音も120度以上の超広角・スーパーワイドでダイレクトに各楽器の音が飛び込んでいく座席、コンサートホールではなくて教会なので、目と同じ高さで楽器や演奏者を数mの距離で見ながらだったので、まるで指揮者が耳している演奏を聴いている感じでした。

・・・ふと頭に浮かんだのが ”Scattered sounds” と言うフレーズです。散らばった音・・・Barbra Streisandの名曲 “The Way We Were” の中にある歌詞、”Scattered pictures” とのアナロジーですが、音が四方八方からランダムに飛んできて、散らばっているような広がり感覚です。指揮者が、オケの中に立って、それこそ180度近いワイドな方向からの各各楽器の発する音の渦に包まれるような感覚ではないかと思うのですが、その体験を1500円のチケット代で得られるのは安いです。

 演奏が始まる直前までチェンバロの調律をしており、途中の休憩時間15分にも調律をしていました。かなり繊細な楽器で、もっとも近い最前列でも、オケと一緒だと通奏低音のチェンバロの音は聴きとりにくかったです。

 食卓の音楽第2集は6曲からなるのですが、第1曲の序曲と第3曲の協奏曲、第6曲の終曲はオケが入りますが、それ以外は第2曲の四重奏曲がリコーダー、フルート×2,通奏低音(Vc+Cemb)、第4曲の三重奏曲がフルートとオーボエと通奏低音(Vc+Cemb)、第5曲のソナタがヴァイオリンと通奏低音(Vc+Cemb)で、オケが入るとほとんどチェンバロの音がかき消されます。そして三重奏曲とソナタではチェロと共に通奏低音を奏でる中で、繊細なチェンバロの音が耳に心地よかったです。またソナタでのヴァイオリンの演奏も、バッハの無伴奏ヴァイオリンとは違って、やさしく優雅な曲で、それに通奏低音が加わって、聴き惚れていました。

 演奏が終わって、観客の多くが会堂を去り、窓の外は暗くなって、帰り際に広くて高い会堂を振り返った時に目にした会堂風景も、印象的でした。

 外に出ると雪が舞っており、暗い中を三ノ宮駅まで急ぎました。


 開場少し前に着いたので、近くの新神戸駅周辺を散策しました。新幹線だけの新神戸駅の駅前です。三ノ宮駅まで直線距離で1kmほどで徒歩圏内で、地下鉄で1駅で、JR在来線や阪神・阪急電車とダイレクトに乗り換えることはできません。

 新神戸駅の改札口です。東京へ行くときは新大阪発ののぞみの設定も多く、在来線とダイレクトに乗り換えできるので、新大阪乗り降りが多いです。西方面では、こだまだと西明石駅乗り換えですが、のぞみだと新神戸駅で乗り降りします。でもコロナ禍以降、新幹線に乗っていません。

 新幹線の改札前の参道のような通路で、地下鉄との乗り換えでの経路で、神戸の代表的な玄関口となるので、人通りは多かったです。

 地下鉄に乗り換える人は、その後地下通路に向かうので、隣接するショッピングセンター「コトノハコ神戸」は空きテナントばかりが目立って廃墟の様相です。

 31年前の阪神淡路大震災で神戸・元町の繁華街は大きな被害を受けたので、新神戸駅周辺と、神戸駅周辺のハーバーランドは賑わったのですが、神戸の街全体が復興に向かうとともに、コトノハコ神戸は衰退の一途をたどったようで、久し振りに来ると、かなり悲惨でした。

 決してすべての場所ではないですが、あたり一面が空きテナントの処もあり、ここまで寂しくなっているとは思いませんでした。


itsumi
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