相楽園

 神戸の街中で見応えがある広い庭園は「相楽園」が唯一です。日本の三名園と言われているのは、金沢の兼六園、岡山の後楽園、水戸の偕楽園で、どれも大名庭園です。神戸は、兵庫の港町と幕末からの貿易港で発展した街なので、大名屋敷そのものがなかったです。かつて福原京があり、平清盛の私邸・雪の御所があったのですが、街中に埋もれて遺跡と地名ぐらいしか残っていません。

 東京は皇居東御苑の二の丸庭園と二の丸雑木林には圧倒され、それに加えて将軍家別邸だった浜離宮恩賜庭園、それに水戸藩の小石川後楽園、三菱岩崎家の清澄庭園も見応えのある庭園です。新宿御苑は日本庭園ではないですが、広大で落ち着く庭園です。京都は御所、二条城、平安神宮、金閣寺に日本庭園があり、嵐山の大河内山荘も見応えがあります。また四国・高松の栗林公園も広大な大名庭園で、結構日本庭園で佇むのが好きです。

 神戸の相楽園は、神戸の北に位置する三田藩の藩士・小寺泰次郎が幕末・維新に掛けて、開港した神戸で事業に成功して小寺家の私邸でした。息子が第11代神戸市長になったこともあってか神戸市が譲り受けて相楽園になった経緯があります。

 写真をスライドショーにして、YouTubeにUPしました。

相楽園 2024年3月 2分34秒 [YouTube 動画]
https://www.youtube.com/watch?v=X66_rxHiXXU

 最初は蘇鉄園と呼ばれいたそうで、鹿児島から取り寄せた樹齢300年を超えるソテツが入り口付近に群生しています。

  そして日本庭園の部分は、ひょうたん型の池を中心にした池泉回遊式庭園になっています。 

 築山のようなものが幾つかあって、水の流れや滝音を楽しむことができます。

 大きな池の周囲には、何か所か飛び石になって、それぞれ風情が異なります。

 此処はちょっと大きめの滝が飛び石の近くにあって、築山を石段で上る感じです。

 此処には小さな隧道が設けられています。

 灯籠、松の木が彼方此方にあります。船屋形は国の重要文化財です。

池に流れ込む流れ、此処も、また違った趣を味わえます。

 鹿威し、滝や水の流れで、外からの音を打ち消してくれます。場所は県庁の北で、閑静な住宅地の中ですが、車の音や街の音が相楽園の内部に聞こえてきます。東隣がこうべ小学校、西隣が聖ミカエル保育園と関西国際大学のキャンパスがあり、子どもの元気な声も聞こえてきます。

 旧ハッサム邸、北野から移築したもので、国の重要文化財です。

神戸大空襲で、唯一焼失しなかった旧小寺家厩舎で、これも国の重要文化財です。

 3月の、冬の寒気が厳しい時に、久し振りに相楽園の日本庭園でのひとときを愉しみました。

itsumi
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