春雨じゃ、濡れてまいろう

 半月ほど前までは、雨が降ると気温が下がり、まだまだ冬の寒さを感じていましたが、昨日からの雨は、春を連れてくる小ぬか雨・・・春雨です。

 日当たりの悪い玄関脇のスノーフレークが、春雨の中、可憐な花を開き始めました。紫陽花も春雨に濡れて元気に葉が育っています。

 劇作家の行友李風(ゆきとも りふう)は、沢田正二郎の新国劇に座付き作者として迎えられ、「国定忠治」の「赤城の山も今夜を限り、生まれ故郷の国定村や縄張りを捨て、国を捨て、可愛い子分の手前たちとも別れ別れになる首途(かどで)だ」という名セリフを遺しています。

 また行友李風は「月形半平太」でも名セリフを書き遺しています、京都・三条河原町で、祇園の芸妓染八が、長州藩の志士・月形半平に傘を差し掛ける場面で言うセリフが「春雨じゃ、濡れてまいろう」・・・霧のようなこぬか雨の中を、傘なしで歩く粋・気障・伊達が大正浪漫だったのかもしれません。

 小さな我が家の中庭は、小ぬか雨に濡れて、活き活きと雑草が生い茂っています。

 2階の出窓の植木鉢の草草も、青々としていました。

itsumi
blog(つれづれに)